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2022-03-03

 以前このブログで、長門市立図書館前の広場にある金子みすゞさんの詩碑
「大きな文字」を紹介しましたが、みすゞさんの詩碑がもう一つあるのをご存知
ですか?

 図書館前広場の中央にメビウスの輪を模った御影石製のモニュメントが建って
いますが、その台座(黒御影石)にみすゞさんの詩「不思議」が刻まれています。

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 このモニュメントは、平成10年10月1日、図書館が現在の位置に移転し
開館するのに合わせて建てられたもので、台座の背面には「裏と表の区別のない
“メビウスの輪”は「ふしぎ」から連想されると共に、長門市の将来性と教育の
無限性を象徴しています」と書かれた銅板がはめ込まれています。

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 みすゞさんの詩碑は、図書館のほか、みすゞさんが生まれ育った仙崎地区だけ
でも、お墓のある「遍照寺」をはじめ、詩のモチーフとなった「弁天島」や「王子
山公園」、母校の「仙崎小学校」や「道の駅センザキッチン」、「JR仙崎駅」、
「みすゞ公園」などに設置されています。
 中でも、「みすゞ公園」には、6つの詩碑が設置されているほか、みすゞさんの
代表作「私と小鳥と鈴と」の詩碑は、「みすゞ公園」と「仙崎小学校」、「みすゞ
通り」の3基あります。

 暦の上では春です。まさに三寒四温で、暖かいなと感じる日が増えてきました。
これから春本番に向けて、散歩に出かけるのに気持ちの良い季節になります。
みすゞさんの詩碑を訪ねて市内を散策するのも楽しいかもしれません。


  「不思議」

私は不思議でたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀に光っていることが。

私は不思議でたまらない、
青い桑の葉たべている、
蚕が白くなることが。

私は不思議でたまらない、
だれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。

私は不思議でたまらない、
誰にきいても笑ってて、
あたりまえだと、いうことが。

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     「金子みすゞ全集」(JULA出版局)