2021-11-02
「大きな文字」お寺のいてふの
大筆で
誰か、大文字
かかないか。
東のお空
いつぱいに、
「コドモノクニ」と
書かないか。
いまに出てくる
お月さん、
びつくり、しやつくり
させないか。
「金子みすゞ全集」(JULA出版局)
金子みすゞさんの詩「大きな文字」です。
イチョウの木を大筆に例え、その大筆で文字を書いてお月様を驚かす、そんな発想
ができるみすゞさんの感性に驚かされます。
この詩のモデルとなったお寺は、仙崎にある西覚寺か浄岸寺、遍照寺のどれか
ではないかと言われていますが、西覚寺と浄岸寺のイチョウは無くなり、現在は
みすゞさんのお墓がある遍照寺のイチョウだけが残っています。
11月を迎え、図書館周辺の木々も赤や黄色に色づき始めましたが、イチョウに
とっては、良くも悪くも1年の中で1番注目される季節です。
そんなイチョウの木をモチーフとしたみすゞさんの詩「大きな文字」ですが、
その詩碑が図書館にあるのをご存知ですか?
詩碑は、みすゞさんと同じ仙崎出身の彫刻家・大井秀規さんが制作したもので、
1999年4月、国際ソロプチミスト長門さんから寄贈していただきました。
ご来館の際、図書館前広場の植え込みの中を探してみてください。
赤御影の詩碑の上で、ブロンズの小人たちが楽しそうに遊んでいる姿をご覧いただ
けると思います。