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2021-09-09

 夏休みも終わり、9月になりました。
 まだまだ暑い日が続いていますが、日が短くなるにつれ、朝晩が過ごしやすく
なり、秋の気配が漂ってきました。
 秋になるとよく「○○の秋」という言葉を耳にします。「芸術の秋」、
「スポーツの秋」、または「食欲の秋」などがありますが、図書館的にはやっぱり
「読書の秋」ですね。

 改めて考えると、「秋」って、いつからいつまでを指しているのか。なぜ、
「読書の秋」と呼ばれるようになったのか。ちょっと気になったので、調べて
みました。

 はじめに、「秋」の定義ですが、気象庁が天気予報で用いる予報用語の定め
では、「秋」は「9月から11月までの期間」とされており、暦の上では、立秋
から立冬の前日までとなっています。

 次に、「読書の秋」の由来ですが、その語源は中国にありました。唐時代の
文豪・韓愈(かんゆ/768~824年)が詠んだ漢詩「符読書城南詩」の中に
「燈火稍可親」という一節があります。「涼しい秋の夜長は灯火の下で読書をする
のにふさわしい」と、当時18歳だった息子に韓愈が読書の大切さを教えるために
詠んだものと伝えられています。
 この漢詩をモチーフにした「燈火可親」(灯火親しむべし)という言葉がやがて
日本に伝わり、秋が読書に相応しい季節であるというイメージになったといわれて
います。

 そのイメージから生まれたのが、秋の「読書週間」です。1947(昭和22)
年、まだ戦争の傷痕が日本中に残っている中、「読書の力によって、平和な文化
国家を創ろう」と、出版社や書店などと図書館が力を合わせ、そして新聞や放送の
マスコミも一緒になり、第1回読書週間が開催されました。それから70年以上が
経過する中で、読書週間は日本中に広がり、すっかり定着してきました。
 今年で75回を数える読書週間は10月27日(水)から11月9日(火)までの
2週間ですが、長門市立図書館では、コロナ禍でもたっぷりと本を読んでいただ
けるような企画を検討中です。詳細については決まり次第お知らせしますので、
ご期待ください。

 窓を開けて過ごしやすい季節はやはり秋です。外からの爽やかな空気を感じ
つつ、図書館の本で「読書の秋」を満喫してください。   見出し