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2021-07-07

 「知の巨人」とも呼ばれたジャーナリストでノンフィクション作家、評論家の
立花隆さんが亡くなられました。

立花さんは、現職総理大臣失脚のきっかけとなったといわれる「田中角栄~その
金脈と人脈」でジャーナリストとして不動の地位を築きましたが、その執筆
テーマは 政治、経済のみならず生命、宇宙、哲学、生物学、環境問題、医療、脳死
体験など多岐にわたり、多くの著書がベストセラーとなっています。

 その立花さんが長門市と所縁深いことはご存知でしょうか。
本市出身で昭和を代表する洋画家の一人、香月泰男画伯が自伝「私のシベリア」を
1970年に文藝春秋から出版しています。この本、1969年、当時まだ駆け
出しのルポライターだった29歳の橘隆志さん(立花さんの本名)が三隅の香月家
に十日間通い、いわゆるゴーストライターとして画伯の言葉を聴き書きしたもの
です。

香月画伯の絵と人生は、その後も立花さんの心に棲み続け、1995年には
「NHKスペシャル」の取材で自らシベリアを訪れて画伯の足跡を辿るなど、香月
泰男研究の第一人者としても知られるようになります。
 そして、画伯との出会いから35年立った2004年、「香月泰男没後30年
記念展」が全国巡回される中、立花さんは「私のシベリア」の復刻とシベリア調査
報告を加えた「シベリア鎮魂歌 -香月泰男の世界-」を自身の著書として
文藝春秋から出版しました。

 長門市立図書館では、本館に所蔵する著作を集めて、「追悼 立花隆」コーナー
を設けました。この機会にどうぞお手にとってみてください。
    
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